耳鳴りかな?病院に行く前に知っておくべきこと

耳鳴りとは?

実際には音がしていないのにも拘らず、何かが聞こえるように感じる現象。耳鳴(じめい)ともいう。
人口の10%から15%程度が耳鳴りを感じているといわれています。

原因とは?

1,中耳炎・外耳炎・内耳炎・鼓膜炎のような病気が原因の場合

2,肩こり・首のコリ、アゴの違和感や背中の痛み、ゆがみのような習慣が原因の場合

3,それ以外の※ストレス(自律神経失調症やうつ病)が原因の場合

4,身体のゆがみ(頭蓋骨のゆがみや顎関節症)が原因の場合

5,耳垢がたまりすぎている、老化など。

※ストレスが原因の場合、めまい、耳鳴り、難聴は併発することが多い。

遺伝の可能性は?

耳鳴りは基本的に生理現象の一つとして現れるものなので遺伝することはない。ただし、遺伝子が原因で幾つもの難聴を引き起こす遺伝性難聴の可能性や、病気が原因の耳鳴りは親から子へと受け継がれることはあるらしい。

注意:耳鳴りが起きると「霊が近くにいる」、「右耳の耳鳴りが起きると良いことがおきる」などはすべて噂やジンクスで、根拠はない。

症状「◯◯の音が聴こえる」

  • 「ジー」というセミの鳴き声のような音
  • 「キーン」という金属音のような音
  • 「ピー」という電子音のような音

  • 「ブーン」という重低音
  • 「シャー」という空間音
  • 「ゴォー」というジェット音・低い風切り音

  • 「ジャー」「ジョー」という水流音
  • 「ブクブク」「ポコポコ」「グググ….」という痙攣音
  • 「ザッザッ」「ガンガン」「グワァン グワァン」という拍動生の音

  • 「ピロピロピロ・・・」「ヒュルリーヒュルリー・」という異次元音
  • ハッキリとしたメロディ音、あるいは何かの音楽のようなメロディ音

耳鳴りを伴う主な病気(合併症)

・メニエール病・突発性難聴
・老人性難聴・ラムゼイ・ハント病
・薬剤性内耳障害

・自律神経失調症
・外耳道炎(外耳の病気)
・耳硬化症、中耳炎、鼓膜炎(中耳の病気)
・耳管機能不全、耳管炎(耳管の病気)
・聴神経腫瘍、聴神経炎(聴神経の病気)
・脳の外傷、脳腫瘍、脳出血、脳幹梗塞(脳の病気)

病院での対応

何かに行けば良いのかな?

耳鳴りは耳鼻科・耳鼻咽喉科へ

病院に行く際には、下記の事柄をしっかりとメモを取ってから受けましょう。症状があまり分からないと、経過観察になってしまう可能性があります。

  • 耳鳴りがいつから始まったか。
  • どちら側の耳に起きているか。
  • どんな音がするのか。(キーン、ジーなど擬音で具体的に)

  • 音は1種類だけか。それとも複数重なっているか。
  • 音はどれぐらいの大きさか。
  • どんなときに耳鳴りが悪化するか。

  • 仕事や生活にも影響しているか。(仕事に集中できない、眠れないなど)
  • 持病と過去の病歴、現在服用している薬について。

行ったけど原因がハッキリしない場合は?

耳鼻科に行っても、原因がハッキリとせずに、症状の回復を感じない場合は、いくつかの病院に行ってみましょう。当院に来てる方でも3箇所目の検査で原因がわかった方もいます。

また、耳鳴りは脳の病気が起因している可能性もありますのでご注意下さい。

どんな検査するの?

(1)耳管機能検査

鼻から音を入れて、中耳と鼻をつないでいる「耳管」の開閉機能を調べる検査です。耳管が開いたままになる「耳管開放症」や、耳管が閉じたままになる「耳管狭窄症」は、この検査で特定できるそうです。

(2)耳管通気法

鼻から耳管に「カテーテル」という細い管を入れて、空気の通りを調べる検査です。施術も兼ねて行われます。耳管が詰まっていると、耳鳴りが起こったり耳が詰まったような感じがするので、空気を通してそれを改善に向かうことをするそうです。

(3)ティンパノグラム

耳の中に空気圧をかけ、鼓膜が正常に振動するかどうか調べる検査です。「滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん」や「耳硬化症(じこうかしょう)」などがあると、鼓膜が振動しにくくなるそうです。

(4)難聴の有無を調べる検査(鈍音聴力検査)

耳鳴りがする人の多くは、本人が自覚していなくても難聴をともなっています。「オージオメーター」という機械からいくつかの周波数の音を出し、どの程度聞き取れるかを調べることで、難聴の有無や程度、種類を調べます。

(5)障害のある部位を調べる検査(画像検査)

耳鳴りは、耳や首の骨の異常で起こることもあるので、骨の異常を調べるときは「X線検査」を行います。また、「聴神経腫瘍」や「脳血管障害」が疑われるときは、「CT検査」や「MRI検査」を行います。

(6)耳鳴りの程度、性質を調べる検査(ピッチマッチ検査)

耳鳴りで聞こえてくる音がどの高さかを調べる検査です。「耳鳴り検査装置」や、鈍音聴力検査で使う「オージオメーター」を使って、いくつかの周波数の純音、もしくは雑音を流し、耳鳴りに似た音の周波数を探します。

(7)耳鳴りの程度、性質を調べる検査(ラウドバランス検査)

耳鳴りの大きさを調べる検査です。ピッチマッチ検査で選び出した周波数の音を、その音が聞こえる最小値から少しずつ大きくしていき、耳鳴りにもっとも近い大きさを選びます。

とりあえず…薬での対応。どんな薬?

※カッコ内は副作用です

・抗不安薬… 精神安定薬のこと。不安・緊張をやわらげる。自律神経を安定させる。症状に対しての意識を低下させる。(副作用=眠気・頭痛・ふらつき・むくみ・かゆみ)

・抗ヒスタミン薬… 精神安定作用、速効性があり、吐き気を抑える効果があります乗り物酔いの薬にも使われているものです。(副作用=眠気・頭痛・ふらつき・食欲不振)

・抗めまい薬… 神経の興奮をおさえます。脳や耳の末梢神経の血液の流れを良くします。めまいや吐き気をおさえます。(副作用=頭痛・発疹・眠気・ふらつき・食欲不振)

・抗うつ薬… 抑うつ的な気分(何もやる気の起きない状態)の強い人に気力回復の効果があります。効果のあらわれるまで、1~2週間かかります。(副作用=口渇・便秘・排尿困難)

・ビタミン剤… 末梢神経の働きを改善・代謝改善・疲労回復など、様子に合わせて補うビタミン薬を処方します。(副作用=下痢、むかつき等が出る時もありますが強くは出ません)

・副腎皮質ホルモン薬… 炎症を抑える作用があり、体内の代謝を良くします。短期集中的に使ったりします。(副作用=顔がまるくなる・感染症にかかりやすくなる・カルシウム不足)

・末梢血管拡張薬… 梢血管の血液の流れをよくして、脳や耳の代謝を活性化します。(副作用=発疹・かゆみ・食欲不振・悪心)
・自律神経調整薬… 自律神経の中枢部に働きかけて、乱れを改善します。自律神経を安定させる、整えるなどの効果があります。(副作用=眠気、ふらつき、めまい感。 口の渇き、吐き気、食欲不振、便秘)
・睡眠導入薬… 耳鳴りやめまいの症状に悩まされ不眠状態の人に用います。(副作用:アルコールと同時に服用は催眠作用が増強され危険です)

薬を飲みたくない場合は漢方もあり

・三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)
・女神散(にょしんさん)
・通導散(つうどうさん)

・釣藤散(ちょうとうさん)
・七物降下湯(しちもつこうかとう)
・加味逍遥散(かみしょうようさん)

・六味丸(ろくみがん)
・八味地黄丸(はちみじおうがん)

病院以外での対応策は?

耳鳴りを施術してもらえる所はあります。

鍼灸院、整体カイロプラクティック、リフレクソロジー、指圧療法など。ただし健康保険は使用できないところがほとんどです。

食事で気をつけるには?

耳鳴りの症状を和らげる成分として、血行を促進し細胞の老化を防ぐ成分を多く摂取することが大切です。

牡蠣、豚肉、卵黄、黒豆、レバー、あさり、シジミ、サンマ、にんにく、黒酢、乳製品、大豆、玉ねぎ、しょうが、油揚げ、おから、えごま、小魚など。

セルフケアは?

リラックスする、睡眠を十分にとる、ストレス解消をする、ストレッチする、ツボ押しをする、ヘッドホンをつけて音楽を聴かない、ぬるめのお風呂にゆっくりつかるなどがあります。

オススメな運動

無理しない軽めの運動が良いです。
ウォーキング(有酸素運動)、ストレッチ(血行促進)、軽いジョギングなど。